トライです!
先日、理系の大学で卒業式を行いました。
工学部電気工学科出身です。
理系の大学と聞くと、「実験が大変そう…。」、「絶対忙しい、つらいだろうなぁ…。」というイメージがあると思います。
結論から言うと、大学や学部学科にもよりますが、皆さんのイメージ通り、理系は実験やレポートで忙しくて大変です笑
この記事を読むと、これから大学生になる理系の人や、これから実験を控えている人が理系の実験やレポートに対するイメージを深めることができます。
学生実験とは?
学生実験は、主に理系大学生が研究室に配属される前の1~3年生時に行われる授業の一つです。
実験の頻度や時期は、大学や学部学科によります。
僕の場合は、1~3年生まで各学期に毎週学習実験がありました。
大学によっては、週2回以上実験を行うところや、1年生の間は行わなかったりします。
実験の内容としては、これまでやこれから教科書や講義等で学ぶ理論を使って、実際に手を動かすとどうなるかを検証するものが多いです。
僕は、工学部電気工学科に所属していましたが、電子回路やデジタル回路を組んでオシロスコープで電圧波形を観察したり、トランジスタの電流電圧特性を調べたり、モータやロボットをプログラミングで制御したり、映像処理をするなど、電気工学に関するものを幅広く行いました。
大学や学部学科によって異なる点も多いですが、主な特徴を下にまとめてみました。
特徴①:出席や提出物に厳しい
大学の実験は、他の科目と比べてとにかく出席や提出物に厳しいです。
僕の場合は、1学期で2,3回欠席やレポート提出ができなかったら、単位を落としてしまいます。
大学によっては、1回も休めないという話も聞いたことがあります。
一応、正当な理由があれば欠席しても関係はありませんが、それを判断するのは大学教員です。
僕の同級生は、実験の授業ではありませんでしたが、親族の葬式があって欠席したにも関わらず、出席点を引かれたという例もありますので、面倒でも行けるときは必ず出席しましょう。
特徴②:単位を取らないと進級ができない、忙しさ倍増
大学の実験の授業は、研究室に配属されるまでに単位を取らなければ進級できないことが多いです。
学生実験は、今後研究室で研究する時のための練習みたいなものなので、こうなっていると思います。
例えば、1年生の実験の授業の単位を落とすと、2年生は2年生向けの実験と1年生時に落とした実験の再履修の両方を受けないといけないので、めちゃくちゃ大変になります。
実験の授業はかなり時間が取られてしまうので、この授業だけは今学期中に取っておくようにしましょう。
特徴③:評価はほぼ出席とレポートの出来で決まる
大学実験の授業の評価は、ほぼ出席とレポートの出来で決まります。
教員は生徒一人一人を覚えていないので、余程やんちゃしない限り、授業態度で減点されることはないので安心して下さい笑
僕の場合、出席は、1度出席する度に、本来出される評定よりも1段階下げられます。
例えば、本来評定がAの人が2回実験に休むと、最終的にA→B→Cと評価が下がってしまうという感じです。
また、レポートの評価は担当する先生によって基準が若干異なったりします。
フォントや図の配置の仕方などの最低限の書式や、どこまで調査内容をもとに深く考察できているかなどを見られていると思います。
ただ、ちゃんと出席して普通にレポート提出をしていれば、どんなに出来が悪くても(途中までしか書いていないものは除く)単位は貰えるはずなので安心して下さい。
特徴④:Excelが使えないと苦労する
大学の実験ではExcelが使えないと苦労するケースが多いです。
自分所属する学部や学科、実験内容にもよりますが、実験中に電流や濃度などの値を測定することが多々あります。
その時の測定値で作成したグラフが、理論値に近い形で出ているかを確認しながら実験を進めなくてはなりません。
なぜなら、そこで変なグラフが出てしまうと、どこかの工程でミスをしていると考えられるからです。
このグラフを作成するためには、Excelが必須アイテムです。
自分のPCや大学のPCを実験室に持って行って測定値を入力する必要があります。
この時に、Excelでグラフを書く方法が分からなければ、時間をかなりロスしてしまいます。
なので、できれば実験前にExcelでグラフを書く方法くらいは覚えていた方がいいです。
ただ、Excelの使い方は実験をこなしていく内に自然と覚えるので、心配はしなくても大丈夫です。
特徴⑤:実験が終わり次第、帰宅できる(夜になることも)
大学の実験は実験が終わり次第、帰宅することができます。(実験後に他の授業を入れている場合は別ですが。。。)
実験によっては1時間もかからずに終わるものもあるので、いつもより早く帰れる場合もあります。
一方で、中にはかなり時間が使ってしまう実験も存在します。
僕の場合は、普段は12:30くらいに実験を始めて、16:00くらいに終わることが多いです。
ただ、夜まで残らされると噂されていた実験が2回だけあったのですが、どちらも21:30くらいまで実験を行っていました。
このように、実験が終わる時間はその日やる実験によって異なるので、バイトなどの予定がある人は事前に実験の詳細について聞いておきましょう。
特徴⑥:大学側が割り振った実験班で行動する
大学の実験では、大学側が割り振った実験班で行動することが多いです。
班の割り振り方は、学籍番号順や完全にランダムになることもあります。
実験中は班員とのコミュニケーションが非常に重要になってくるので、ぜひ仲良くなっておくべきです。
ここで、新しい友達が作ることもできます。
また、普段話す人以外と交流することになるので、他の授業の情報や過去問、過去レポを入手することもできます。
一方で、割り振られ方によっては、班員との馬が合わず、ほとんど会話がないこともあるので、メンバーがどうなるかは神に祈っておくしかありません。
特徴⑦:大学教員だけではなく、TAが担当することも多い
大学の実験では、大学教員だけではなく、TAが担当することも多いです。
TAとは、アルバイトで大学の授業や教学活動をサポートする大学院生のことです。
つまり、皆さんの先輩にあたる人ということです。
なので、実験の授業を通して、研究室や就活の情報を得ることができるので、積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。
特徴⑧:前回の実験についてのプレゼンやグループディスカッションをすることも
大学の実験では、単に実験をするだけではなく、前回の実験についてのプレゼンやグループディスカッションをすることもあります。
目的としては、前回行った実験の理解を深めることだと思われます。
特に、グループディスカッションは後の就活の練習にもなるので、失敗を恐れず積極的に発言してみましょう。
実験レポートとは?
実験レポートとは、その名の通り、実験を行いその内容についてまとめるレポートのことです。
書く内容は主に、実験目的、実験で用いられる公式や現象の説明、使用器具、実験方法、実験結果、考察、結論です。
実験レポートも大学や学部学科によって異なる点も多いですが、主な特徴を下にまとめてみました。
特徴①:量が多いので時間がかかる
実験レポートは、とても量が多いので時間がかかります。
僕の場合は、約30ページ、文字数は1万字近いレポートを毎週執筆していました。
上の画像は、1番量が多かったときのレポートで、左下を見ると93ページ、45000字であることが分かります笑
公式や現象の説明や実験方法は、配布されている実験書に載っているので、全てを1から考えて書く必要はないのですが、それでも量が多いです。
実験にもよりますが、一夜漬けで終わらせるのは、至難の業です。
なので、常日頃から空き時間に少しずつ書くクセをつけると大分楽になります。
特徴②:手書きかPCで書くかは、その授業次第
実験レポートは、手書きで書く場合とPCで書く場合があります。
どちらになるかは、その授業によって異なります。
PCの場合は、入力に時間がかかりませんし、ショートカットキーもあるのでまだ楽です。
しかし、手書きの場合、書くのに時間がかかる上に修正をしにくいのでメチャクチャ大変です。
特徴③:文献や参考書が必要
大学の実験は、内容がとても高度で奥深いので、実験書や実験結果だけを見ても考察をすることはかなり難しいです。
なので、実験レポートにおいて、考察を書く際には、文献や参考書が必要です。
1冊1冊買うのも勿体ないので、大学の図書館で借りてしまいましょう。
Web検索で調べるのもいいのですが、wikipediaや個人ブログに書いてある内容を書くことは基本的にはダメです。
企業のホームページなど、ちゃんとしたページなら良いのですが、大学の実験が専門的すぎて、ネットに載っていないケースも少なくはないです。
特徴④:過去レポがないとかなり厳しい
実験レポートを書くにあたり、過去レポがないとかなり厳しいです。
過去レポとは、同じ学科の先輩が過去に同じ実験をした際に書いた実験レポートのことです。
これが無いと、実験レポートの書き方そのものがよく分かりません。
また、先述した通り、内容が高度なので先輩の知恵を借りることができます。
基本的には、過去レポを真似て書くのがセオリーです。
実験レポートとの付き合い方
理系学生の多くは、おそらくこの実験レポートが生活の一部になってくるはずです。
しかし、大学生はサークルやバイトなど他にやりたいこと、やらないといけないことが沢山あるはずです。
ここでは、少しでも効率良くレポートを執筆する方法を紹介します。
実験前に書けるところは書いておく
実験レポートには実験前に書ける箇所がいくつかあります。
例えば、実験目的、原理、実験方法などなど。
実験前に入力するだけでレポートが完成に近づくだけではなく、実験の予習にもなります。
特に、wordで執筆する人は、途中で変更点があっても変更が簡単にできるので、オススメです。
実験前にExcelで入力欄を作っておく
実験中に測定した値を定義式に代入して値を算出したり、測定値を使ってグラフを作成することが多々あります。
実験中に定義式を入力したり、グラフを作成するのも構いませんが、時短のために数値を入力すると計算やグラフができる表を作っておきましょう。
これも定義式の活用方法や作成すべきグラフの予習になるのでオススメです。
なるべく早く参考文献を確保しておく
実験レポートを書く際には、なるべく早く参考文献を確保しておきましょう。
大学の実験では複数人で同じ実験を行うため、実験後に図書館で参考文献の奪い合いが起こります。
なので、できれば実験が始まる前、遅くても実験した直後には図書館に行って使えそうな文献を借りましょう。
もし、大学の図書館での奪い合いに負けてしまったら、大きいところであれば地元の図書館などでも借りられるはずなので、狙い目です。
同じ学科の同級生、先輩と仲良くする
基本的にレポートを書く際の注意点などは、先生やTAから実験後に説明されますが、レポートを書いていてよく分からない箇所が出てくることも多いと思います。
ここで頼りになるのが同じ学科の同級生や先輩です。
その人たちも同じレポート書いたことがあるはずなので、分からない問題があったときは相談しましょう。
また、仲の良い同級生や先輩がいることで過去レポの入手もしやすくなります。
書く習慣をつける
レポートを一夜漬けで終わらせるのも良いですが、毎週それをやってしまうと体が持ちません。
なので、常日頃からコツコツと実験レポートを書く習慣をつけましょう。
例えば、歯磨きやお風呂なども面倒だなと思いつつも習慣化されているので、自然と毎日できていますよね。
実験レポートもそれと同じで習慣化してしまえば、そこまで苦痛には感じないはずです。
実験レポート作成に力を注ぎ込みすぎない
先述した通り、実験レポートの評価はあまり差がつきにくいです。
余程考察などがしっかりしていない限り、最高評価はなかなか取れません。
ハッキリいって実験レポートに力を入れすぎるのはコスパが悪いです。
なので、実験レポートは必要最低限頑張って、空いた時間は他の勉強をした方がいいです。
他の科目の成績をこれ以上上げる余地がないくらい優秀な方は、実験レポートも全力で取り組むのがいいと思います笑
まとめ
大学の実験に対するイメージは深まりましたでしょうか。
やっぱり実験って大変そうだなぁ、と思った方も多いと思います。
ただ、実験レポートで得られるものも沢山あります。
この記事は約5300字あるのですが、実験レポートで鍛えられたからか、ここまで書くのにそこまでシンドイとは思いませんでした。
皆さんが実験でやってきたことは、必ずどこかで役に立つときがくるはずなので、楽しんで取りくんでいきましょう!
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